中学受験の6つの嘘

1.中学受験をすると地元の友達がいなくなる。

中学受験をしても、小学校時代に仲が良かった友達とは、普通に遊べます。

しかも、進学先の私立の中学でも新しい友達ができるため、むしろ人間関係は「多様化」します。

 

2.小3、小4から毎日のように塾に行かなければならない。

たしかに、小学校で習う勉強だけで中学受験をすることはほとんど不可能です。

しかし、何年間も、毎日のように長時間勉強をしなければいけない、というのは嘘です。

おそらく、コマーシャリズム化されたビジネスライクな進学塾が、塾の収益のためにそのようなことを喧伝しているだけです。

 

3.高校から入ってきた生徒のほうがレベルが高い。

高校1年生の段階では、高校受験をしたばかりの生徒(高入生)のほうがたしかに学力が高いことも多いです。

しかし、たいていの進学校の上位の合格実績を支えているのは「中学受験」で入学して6年間勉強をした子どもたちです。

中学受験をした子どもは、小学校の、まだ頭が柔らかい頃に、複雑なことを考える能力を養っているため、高校2年・3年になったときに一気に学力が伸びるためです。

 

4.名門進学塾には特殊なノウハウがある。

ありません。

優秀な子どもが集まっているため、有名中学への合格実績を多く出せるだけです。

有名中学への合格実績が多いから「なんらかの特殊な指導方法があるに違いない」と考えるのはしかたのないことですが、実際には、そのような特殊なノウハウはありません。

ですから「合格率」を公表している塾は少ないです。

なぜなら、合格率が特別に高い進学塾というものはほとんど存在しないからです。

 

5.中学受験をすると人格がおかしくなる。

私の経験で言わせてもらうと、これは誤謬であり、いわゆる「逆差別」です。

私立中学のほうが公立中学よりも深刻なイジメも少なく、穏やかな子どもが多いです。

たとえば、少年院に行くような子どもの確率を、公立中学と私立中学で比較してみれば一目瞭然です。

同様に、有名大学への進学率や、医師や仕業の輩出、上場企業への就職率、あるいは起業して成功する確率も、私立中学出身者のほうが高いです。

 

6.親子が一体になって努力しないと合格できない。

 

小学生はまだ自分でものごとを判断するには幼いです。

そこで、保護者様が学習計画を立て、進路情報を入手し「親子一体」となって中学受験へと進んでいくことが多いです。

しかし、勉強をするのは本人なので、保護者様が自宅で学習計画などを細かく設定し、お子さまに指示することは望ましくありません。そんなことが毎日のように続けば「喧嘩になるか」「燃え尽きて」しまいます。

なかでも、もっともよくないのが、塾の学習の進捗や、模試の結果から「苦手な分野」をかき集めて対策してしまうことです。

人間は「苦手なもの」ばかりを集められると、とたんにやる気がそがれてしまいます。

「できる問題」のなかにできない問題を混ぜたほうが苦手は克服しやすいのです。

反対に「できない問題」ばかりをやらせると「できる問題」までできなくなるという悪循環を招きます。

人間は機械ではないので、やる気をテコにして勉強をしたほうが結果として効率がよくなります。

これは脳科学の研究でも実証された事実です。

繰り返しますが、分析を過剰に行い、苦手分野のみを克服するような勉強方法は効率が悪いのです。

しかし「子どもは親の期待に応えたい」という本能をもっているので、大いに「期待」と「応援」はしてあげてください。